
こんにちは。インテリアデザイナーの小林由梨奈です。
藝大美術館でやってる大吉原展に行ってきました。
私は上野が好きで、たまにぷらっと行きます。
でも藝大美術館ははじめてで、藝大までの道を歩いたのも15年ぶり

昔勤めていた会社で営業をしていて、藝大がお客様で、一度だけ訪問したことがあって、
その時以来に歩く道。

新緑の晴れた日がよく似合う、文学的な道景色でした。
上野はちょっとアカデミックで空の高い緑の街並みが、少し京都に似てる気がする。

印象的だった作品
写真はほとんどNGだったので、図録で振り返ってみました。
まず図録は装丁がめちゃくちゃ美しかった。


海外の本屋さんで見かける日本のアート本みたいな。
実際、訪れているのも外国人がとても多かったです。
本当に芋を洗うような人混みの中、ゆっくりと作品と向き合うのがむずしいような空間だったのですが、それでも一番印象に残ったのが

これは、昼見世のはじまる午後2時頃、
占い師の言葉に耳を傾ける花魁(左)と、その隣で占いごっこする振袖新造と禿。
“明日をも知れぬ身の上の遊女たちは占いや縁起担ぎに熱心だった“
って書いてありました。
かわいそう。
私は花魁や吉原の文化やお話を見たり聞いたりするのが好きで
たまに夜中に目が覚めると、夜な夜なネットで花魁について調べたりしています。
吉原の芸妓の平均寿命は24歳とかで、生涯のほとんどをこの檻の中で自由のないまま過ごしたそうです。
私は前世、15歳くらいで亡くなった身体の弱い少年だったらしくて
そう言われてしっくりきたのでなんとなくそういう魂なんだと思って生きていて
それだからか分からないけど、
幼くして理不尽に自由と人生を奪われるすべての若い魂のことを
自分のことのように苦しく、申し訳なく思うんです。子供の頃から。
だからかもしれないです。
もっと華やかなシーンや構図のものもたくさんあったけど、これが一番印象に残りました。

これは重要文化財の油絵です。
花魁を「静物」として捉え、見たままを描いたそう。
錦絵だとみんな同じ顔してるけど、やっぱり本当はあんな能面みたいなのじゃなくて
こんなにリアルな造形の顔をしてたのかと、おどろいた。
でもモデルの小稲は「私はこんな顔してない」って言って泣いて怒ったそうです。

これは当時美人で評判だった市井の2人を吉原芸者風に描いた作品
コスプレみたいな感じかな
みんな同じ顔に描かれてるから美人なのかどうか分からない感じがする
今のアプリの写真加工と同じですね
この図録は、これまで訪れた企画展の図録の中でも情報量の多さがものすごくて


読み切ることはないだろうけど満足感がすごい。
あんまりものは持たないタイプだけど、
読むことはない図録が家の中に少しずつ増えていくのは、なんとなく心があたたまります
吉原のジオラマ

最後のエリアのジオラマみたいなのだけ、撮影が可能でした。


外から盗撮したみたいな写真がたくさん撮れました笑


最も痛々しい思い出が、それでも一番美しい
こちらのパフォーマンス↓が終わって、ひと段落ついたので
またいろいろな企画展や美術館に行ってみようと思っています^^
あと、15年ぶりに踊って、すごく楽しくて幸せで、やっぱり好きだなと思ったので
これからまたダンスを再開しようとおもいました。
今回出演させていただいたのは、自然災害とか急な大病みたいな
自分でどうしようもない誰も責めれらない不運に巻き込まれたとき
そこに生まれる人間の死と再生のエネルギーのようなものがテーマの作品で
あんなに自分の中から喜怒哀楽を外にぶつけながら踊ったのも
客席からすすり泣きの声の聞こえてきたのも初めてだったし
たぶんもう一生全員が揃うことのなさそうな多様多才なメンバーで
一緒にパフォーマンスできたのがとてもうれしくて誇らしかった
楽器や歌や、絵を描いたり、いろんな表現があってぜんぶ好きだけど
人生の中で踊れる時間の長さって、そういうものの中で一番短そう。身体めっちゃ使うし
なので15年お休みしてたけど、これからまた続けていきたいなって、思います。
“最も痛々しい思い出が、それでも一番美しい”
これは最近、X開いたら目に飛び込んできたフレーズ
調べたら「20代で得た知見」っていう本の一節で、心惹かれたので購入してみました。
するとその本にこうありました。
”これまで敗れたあらゆる夢や目標の中に、己が本当になしとげたいことは一貫して変わらず、そこにある”
これは本当にそうだと思う。
なしとげたいというようなたいそうなことではないけど、
私がずっと思うのは、”自分のしたことやつくったもので人の心を動かしたい”ということです。
子どもの頃から感受性が異常に強く、傷つきやすい分、喜びや感動も人一倍感じるタイプで
そういう感動体験を与えてくれる魔法のようなものや人へのリスペクトが強くて、
自然に自分もその魔法を使えるようになりたいと望むようになりました。
それでオーディションでも就活でも転職や昇級の面接でも
つねに一貫して「人に感動を与えたい、人の心を動かしたい」って言ってきたし
趣味も仕事もぜんぶそのための手段としてやっていると思う。
この本はほかにも共感する知見が鋭く短く詰まってて、20代の私に教えてあげたい気持ち。
まぁ教えてあげても自力で傷ついてたどりつくまで受け取れないことも多いだろうけど
私は本当に美しいものが好きだから、
いろんな意味で痛々しい思い出をいっぱいいっぱいつくりたい
前世15歳で終わってる分、
今生はやりたいことをぜんぶやりきりたい気持ちです
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