こんにちは。
インテリアデザイナーの小林由梨奈です。
滋賀県信楽の山奥深くにあるMIHO美術館に行ってきました💫
最寄りの駅まで京都駅から快速で13分。
そこからバスで琵琶湖のほとりを過ぎ、山道を上って50分くらいする森の中にある美術館。
途中の山道は電波もつながらないようなところで、平日の昼間にいくと人も少なく、このままどこか別の世界に連れられていく心地のする道程☺️
バスを降りるとそこは、自然と建築の美の織り成す現代の桃源郷でした👼💘
レセプション棟
バスを降りるとすぐ目の前に広がる、レセプション棟。
MIHO美術館は広大な山の地形を生かしてこんな風につくられていて↓
俯瞰でみてもとても美しいんです。
前から撮ると分からないけど、レセプション棟は二等辺三角形を円でくり抜いたような形をしていて、とても数学的な美を感じます💫
こちらはMIHO美術館のパンフレットに載っているイラストですが、公式サイトにいくつか上がっている俯瞰の写真はもっとすごくて感動しますよ🤗
レセプション棟を背にして立つと、ゲートの向こうに天国に続きそうな1本道🌸
これは枝垂れ桜の並木道で、春には満開に咲き乱れまるで桜のトンネルのようになります😌
桜の季節はすっかり終わっていたのでグリーンでしたが、それもとても綺麗でした^^
空気もめちゃくちゃ綺麗🌿
トンネルと吊り橋
桜並木を3分くらい歩くと、トンネルがあらわれました。
設計したのは、ルーヴル美術館のガラスのピラミッドなどをてがけたI.M.ペイ。
吊り橋も美術館もすべて、I.M.ペイ氏の設計です。
内壁はステンレスの板できていて、中腹でちょっとカーブして全長216メートル。
ちなみに桜の季節に来ると、こんな風にトンネルの中がピンク色になるらしいです💓
素敵すぎる。。❣️
これは見てみたいな。
秋分と春分の日の前後には、黄金色にも染まるらしい。
雲のない日没時、ちょうどいい角度で夕日が差し込んだ時にだけ見れる貴重な光景。
I.M.ペイ氏が夕日の演出まで計算して設計してたかどうかは分からないらしい。
偶然の産物なら宇宙の神秘✨
温暖化して、桜の満開の時期と春分の日が重なれば、ピンクと黄金が混ざることもあるのかな。
そうするとどんな色になるんだろう?
カーブを曲がると、トンネルの外に続く吊り橋の向こうに美術館棟が見えてきました👀
これは帰り道、16時頃に撮った写真↓
ケーブルの合間から太陽がのぞいてて可愛かったです☀️
桜並木からトンネルと橋を経て美術館へと至る構想は、中国の古典、陶淵明の「桃花源記」に描かれた桃源郷がモチーフになっているそう。
それは、一人の漁師が芳香漂う桃花林に導かれるように彷徨い込んだ洞窟の向こうに、理想の楽園が広がっていたという物語です。その里では誰もが楽しそうに暮らし、漁師を家に招いてもてなしたといいます。
https://www.miho.jp/
吊り橋側からみたトンネル
美術館棟
美術館棟には、創立者である小山美秀子(みほこ)氏が「美術を通して、世の中を美しく、平和に、楽しいものに」との想いで世界中から集めてきたコレクションの数々が展示されていました。
小山氏は自ら世界中を旅して名建築を訪れ、気に入った建築があれば設計士にアプローチし、何人か会話した中で「この人にこそ、私の美術館を設計してほしい!」と、I.M.ペイ氏にオファーしたそう。
外からみた構えはこじんまりとしていて
厳かに開く大きなガラスの自動ドアの奥は小さな風除室
繊細な木のルーバーから木漏れ日が注ぐ、明るく心地いい空間です。
そこからさらに奥に入っていくと、
いきなり目の前に広がる巨大な空間✨
とくによく晴れていたので、複雑で美しい屋根の骨組みが床面のライムストーンにくっきりと影を落としていて、惚れ惚れする眺め💓
その骨と骨の間に、松の木を主題にまるで絵画のような山々の絶景がパノラマビュー⛰👀
私この美術館、ダンサーの先生に教えていただいて知ったのですが、まさに本当にその人にここで踊ってほしい😍
自然と建築の共演が生んだ豊かすぎるステージです❣️
いくつかある長い廊下には、刻一刻と変わる陽射しの強さと角度に合わせて、大きな窓の影が形を変えて移ろい
それがとても風情でよかったです☺️
全館の床と壁に使われたライムストーンが、建築と自然の間をナチュラルにつなぎます。
木、ステンレス、ガラス、ライムストーン、それぞれの素材の形が美しく、バランスが絶妙で、これ以上の美しくはつくれなそうなくらい美しいと感じた。
ライムストーンは石灰石に分類される堆積岩の一種。
太古の昔、海中で貝やサンゴの死骸が沈殿、堆積し、長い年月を経て固まった岩石です。
私はこの石が好きで、自宅のリビングテーブルはライムストーンを基調にガラス天板、一部ステンレスでできています。
それ以外の家具や床は木材。
どこか親近感が会って安らぐ感じがしたのは、自宅リビングとまったく同じ素材でできていたからかもしれません☺️🌿
美術館棟はたくさんの六角形でできでいました。
展示室や廊下などの空間の形状から、植木鉢、ミュージアムショップの凹みなどのディテールデザインまで、いたるところが亀の甲羅のような六角形をしています。
六角形は、ちょうどよい具合にゆるやかに曲がりながら誘い込むので、水の流れるように人々は体の向きを変えながら、先へ先へと導かれていくそう。
そういう意味で、場面の展開にとても便利な図形らしいです。
たしかにそう。順路が書いていなかったのですが、気付いたらなんとなく全部まわってました🤗
小山氏のコレクションによって、開館に十分な数の美術品が揃っていたある日、
I.M.ペイ氏の
せっかくだから、ここをただの美術館ではなく
人々が世界中から目指して訪れるような場所にしましょう
という言葉と熱意におされ、小山氏はそこから開館までの短い期間でさらに世界中から美術品を買い付ける旅に出たそう。
80歳を過ぎていながら、自らの足を使って世界中をまわり、美術品を集めました。
結果、多彩な日本美術とともにエジプト、西アジア、ギリシア、ローマ、南アジア、中国などの世界の古代美術を擁するMIHO美術館は1997年に開館。
展示室内の美術品はどれも撮影不可だったのですが、吹き抜けの地階の床面に貼られたモザイク画が素敵でした。
これは1階の廊下から見下ろしたところ。
豊穣と酩酊の神デュオニソス🍷
3世紀〜4世紀頃にローマでつくられたもの。
美術品は撮影できなかったけど、どれも神様がいっぱい宿っていそうで神秘的なものばかり。強いパワーを感じました💓
とくにこのリュトンというのがとても可愛かったです😍
リュトンは主に古代ペルシアや古代ギリシャなどで、儀式において注入孔から注ぎ入れた酒などの液体を他の容器に注ぎ分けるのに用いられたそうです。
鹿や山猫、羊、山羊などの頭部が施されていて、本当に可愛かった💓
これちょっと、プレゼントにもらったら嬉しいな。
インテリアにとても可愛い🤗
地階から吹き抜けを貫いて立ち上がる大きな木はフィカス・ベンジャミン。
ライムストーンで六角形を象った植木鉢から、天井ルーバーギリギリまで立派に生い茂っていてかっこよかった✨
フィカス・ベンジャミンがこんなに大きくなることにびっくりです。沖縄のジャングルから運ばれてきたらしく、きた時はもっと巨木ですっごい風貌だったらしい🤣
ライムストーンに木漏れ日を落として、涼やか。あるのとないのとで全然空間の表情が違いそう🌳
2階の中庭も立派だった。
私が訪れた日も、I.M.ペイ氏や小山氏の狙い通り、美術館は欧米やアジアから来た方がたくさんいらっしゃいました。
たまたまかもしれないけど、日本人はほとんどいなくて、すれ違ったのはだいたい外国の方でした。
私がこれまで訪れた中で
1番”Euphoria”なのがサントリーニだとしたら
ここは私にとって1番の、”Utopia”な場所だと思った。
桜の季節にまた来たい🤗🌸
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