現代アートの巨匠 ゲルハルト・リヒター展

こんにちは。
インテリアデザイナーの小林由梨奈です。

ゲルハルト・リヒター展に行ってきました✨


現代アートの巨匠 ゲルハルト・リヒター

ドイツ・ドレスデン出身の現代アートの巨匠、ゲルハルト・リヒター。

今年90歳、画業60年目を迎え、今回は16年ぶりの日本、東京では初めての美術館での個展開催だそう。会場も彼自身によって企画構成された設営ということで、同じ時代を生きている巨匠の個展ならではのトキメキがありました😍

鏡(1986)
アンテリオ・ガラス(2002)
グレイ(1976)
4900の色彩(2007)
鏡、血のような赤(1991)
鏡、グレイ(1991)


「みる」ということ

リヒターは”人がものを見て認識する原理自体を表す”ことに一貫して取り組み続けているそうで、その命題のとおり、何も知らずに作品をみた時と説明を読んでからそれを観た時とで、まるで違った見え方のするようなおもしろさもありました。

8人の女性見習看護師(写真ヴァージョン)

これは1966年7月14日水曜日、シカゴで実際に起きた殺人事件の犠牲者8人の報道写真。

帰ってきてから調べてみるとあまりにおぞましい事件でした。

意味を聞く前と、聞いたあとと、この記事を読む前と読んだあとと、全然違う見え方のする作品。

この頃リヒターは、殺人事件の犠牲者の報道写真をよく題材にしていたそうです。

モーターボート(第1ヴァージョン)

これは広告の写真をキャンバスに投影して、それを正確にうつしとるようにして描いた”フォトペインティング”。

遠目に見ると完全に写真ですが、近づくと筆の形がみえて油彩であることがわかります。

「自由であることそれ自体、そして作家の主体的な意志や作為自体に疑念を抱き」、構図や構成の判断を放棄して「写真に隷属」するような描き方をすることで、画家としてのキャリアをやり直した。

それによって「逆説的に描くべき対象をどのように選ぶかが重要」になった。と、ありました。

そういうフェーズにいる時って、どういう気分なのかな。

葛藤。孤独。落ち込んだり引き籠ったりするのかな。
まわりからはどんな風にみえるんだろう。

不法に占拠された家(1989)

これははじめからちょっと不気味だけど

《不法に占拠された家》って知った途端、急にいっそう不気味。

1945年2月14日(2002)
ヴァルトハウス(2004)

《1945年2月14日》も、タイトル知らなくてもなんとなく小学生の時に社会の教科書の原爆のページに載ってたモノクロの鳥瞰写真を思い出すけど

知るといっそう鮮明になる。

これはあえてアンテリオガラスで覆って額装することで、こちら側の世界を作品の世界に取り込もうとしてるのかな。(それともあちら側の世界をこちらに重ねてるの?)

《ヴァルトハウス》はハウスほとんど見えてなくてほぼ山。

家を飲み込んでる巨大なデイダラボッチみたい。


命名したくなるような素敵な色使い

これは、”スキージ”という自作の細長いへらを用いて、キャンバス上で絵具を引きずるように延ばしたり削り取ったりして描いた〈アブストラクト・ペインティング〉。

どれも素晴らしい色使いで、リヒターは作品に名前をつけていなかったので、勝手に知っている人や場所の名前をつけて親しみながら楽しみました^^

このままクッションやドレスにしたいような美しさ✨

グッズ売り場にこれ描いている時のリヒターの映像が流れていたのですが、めちゃくちゃカッコよかったです。90歳とは思えなすぎる。。。

こちらは〈オイル・オン・フォト〉。
写真に油絵具を塗りつけてる。

バチェロレッテのすぎちゃんが影響受けてそうな雰囲気。

人物写真には油絵具がいい感じにインパクト与えてるけど
風景写真には溶け込んでるように見えた。

やっぱり自然てただそこにあるだけで、ものすごいインパクトがあるものだ。

これは〈アラジン〉。
”色の選択、かき混ぜの度合いといった作家の主観的な意図と、
塗料という事物が生み出す偶然がせめぎ合ってイメージが生まれる”。

運命と宿命が混ざってストーリーが生まれる。
それが人生。

みたいな感じ。


2021年のドローイング

2021年の3月30日から10月5日までの間に描かれた、断続的な日記のようなドローイング。

1日に複数ある日もあれば、飛ばされる日もあった。惜しいことに私の誕生日は飛ばされてた。

2021年6月11日
2021年6月13日
2021年7月9日
2021年9月18日
2021年10月4日
2021年10月5日

絵本がつくれそうなストーリーを感じる作品群。

空のようにも、宇宙のようにも、人間の身体や頭の中のようにもみえる。


なぜか見逃した《ビルケナウ》

びっくりするんですけど私、目玉の《ビルケナウ》見逃したんですよね。

日本初上陸で、チケットデザインにもなって、あらゆるメディアで紹介されて、グッズにもたくさんなってたし、あとでフロアレイアウト見てみたら1番いい位置にディスプレイされてたのに。

しかもみてないことに2日後に気づきました。笑
この部屋に入ってもいない。

よっぽど縁がなかったのかな。

邪悪で不協な感じがして、近づくのが怖そうな感じだから無意識に空間ごと避けてたのかな。

《ビルケナウ》はアウシュビッツのビルケナウ収容所で密かに撮られた4枚の写真イメージが下層に描かれているそうです。

めっちゃそんな感じ。怖すぎる。

でも《ビルケナウ》はみれなかったけど、圧巻の展示でした。

私をここに連れてきてくれたのは、ナムさんのVlogと来日がきっかけ。

Vlogで案内してくれたスイスの<バイエラー財団美術館>の展示で、一瞬しかうつらなかったけど、「綺麗な色だなぁ」と思って印象に残っていた。

それでこの間ナムさん日本にきた時、このリヒター展に行ってたし

実際に私も作品を間近でみてみて、めちゃくちゃナムさんの家にありそうだと思いました笑。

そのうち所有しそう🤗すごいな✨

それとあの日ナムがスイスの河で出会ったみたいな白鳥が

パレスホテルの池にいました🦢

びっくりした。

この白鳥はどうしてこんなところに1人でいるのかな。

寂しくないのかな。

とても美しい秋の日。

今たまたまユンギさんも来日してて、日本の1番過ごしやすいいい時期を、お天気にも恵まれて楽しんでくれてうれしいな🍁

ゲルハルト・リヒター展は今週末10/2(日)まで、東京国立近代美術館で開催中。

素晴らしかったのでぜひ行ってみてください^^✨

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プロフィール

インテリアデザイナー 小林由梨奈
Euphoria Design代表

京都市出身。鎌倉市在住。天秤座。O 型。
特技は 3 歳から続けているクラシックバレエ。 趣味は温泉、海外旅行、ホテルと美術館巡り、ドライブ、お酒、歌うこと、踊ること。読書、舞台・映画・ライブ観賞。同志社大学在学中、NHK 朝ドラなどに出演。その他映画出演や、情報番組の司会アシスタントを務める。 大学卒業後、一部上場企業に就職し上京。営業、アプリ開発ディレクション、商品企画、広報、社内外研修企画、 小学生向けキャリア教育プログラム企画・運営などの業務に携わる。2016年、イメージコンサルタント業務を開始。クライアントのイメージづくりやカラーセラピー講座をする中で、インテリアデザインに興味を持つ。町田ひろ子アカデミー在学中にインテリアコーディネーション業務を開始。卒業後、Euphoria Designを立ち上げ現在にいたる。

Instagram: @yur_in_a

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